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防犯・ライフハック

令和6年能登半島地震「わたしたちに今できること」をピックアップ&頭木弘樹さんから精神的な面や心構えでのメッセージを頂きました

~3.11に被災地を取材して私達が気付いたことも掲載します~

presenter スタリス&画廊支配人

令和6年能登半島地震で被災された皆さまならびにご家族の皆さまに心よりお見舞い申し上げます。

関東の私達に何ができるかを考え、「信頼できる寄付先・ガソリンを満タンにしておく・備蓄や防災の備え・自粛しすぎず経済を回すこと」をご紹介しますが、その前に一番大切な「心」や「考え方」の部分で全ての方にぜひ読んで頂きたいメッセージと新提言を頭木弘樹さんから頂くことが叶いましたので、まずはそちらからご覧ください。

絶望名人ブームを作った、頭木弘樹さん

撮影 八雲いつか

頭木弘樹(かしらぎ・ひろき)
文学紹介者。筑波大学卒。20歳のときに難病になり、13年間の闘病生活を送る。そのときにカフカの言葉が救いとなった経験から『絶望名人カフカの人生論』を出版。他の編訳書に『絶望名人カフカ×希望名人ゲーテ 文豪の名言対決』など。著書に『絶望読書』『カフカはなぜ自殺しなかったのか?』『食べることと出すこと』『落語を聴いてみたけど面白くなかった人へ』『絶望名言』など。アンソロジーに『絶望図書館ー立ち直れそうもないとき、心に寄り添ってくれる12の物語』『絶望書店』『トラウマ文学館』『ひきこもり図書館』など。NHKラジオ深夜便の「絶望名言」のコーナーに出演中。
(「まっくら図書館の読書会」より引用)
『絶望名人カフカの人生論』『絶望読書』『絶望図書館』、NHK『絶望名言』などで有名な、頭木弘樹(かしらぎ・ひろき)さん。横浜で何度かお逢いする機会に恵まれ、温かいお人柄と著書の大ファンに。【スタリス☆横浜】でも落語についての記事でご紹介させて頂いたことがあり感謝です。

助け合うことは当然だということをあらためて

 災害が起きて被災者となると、だれかに助けてもらう必要が出てきます。そのときに、「助けてもらいたくない」「助けてもらうのはいいことではない」という気持ちがあると苦しくなってしまいます。
 また、そういう気持ちはなくても、ずっと助けもらいつづけているあいだに、世話になった、また世話になったと、だんたんそれが心理的な負担となってくることがあります。
 助けてもらうことを、よくないこと、負い目と考えること自体が、間違っています。そのことをよくよく心にとめておいていただきたいと思います。
 以下に引用するのは、昨年末に亡くなった山田太一さんが脚本を書いた、『男たちの旅路』というテレビドラマシリーズの第4部第3話の「車輪の一歩」のセリフです。障害者に向けられた言葉ですが、被災者にも通じることですし、それ以外のすべての人にも通じる言葉だと思います。

「人に迷惑をかけるな、というルールを、私は疑ったことがなかった。多くの親は、子供に、最低の望みとして『人にだけは迷惑をかけるな』と言う。のんだくれの怠けものが『俺はろくでもないことを一杯して来たが、人様にだけは迷惑をかけなかった』と自慢そうに言うのを聞いたこともある。人に迷惑をかけない、というのは、いまの社会で一番、疑われていないルールかもしれない」
「しかし、それが君たちを縛っている。一歩外へ出れば、電車に乗るのも、少ない石段を上るのも、誰かの世話にならなければならない。迷惑をかけまい、とすれば、外へ出ることが出来なくなる」
吉岡「だったら迷惑をかけてもいいんじゃないか〜勿論、いやがらせの迷惑はいかん。しかし、ぎりぎりの迷惑はかけてもいいんじゃないか。かけなければ、いけないんじゃないか」
「君たちは、普通の人が守っているルールは、自分たちも守ると言うかもしれない。しかし、私はそうじゃないと思う。君たちが、街へ出て、電車に乗ったり、階段をあがったり、映画館へ入ったり、そんなことを自由に出来ないルールは、おかしいんだ。いちいち、うしろめたい気持になったりするのはおかしい。私は、むしろ堂堂と、胸をはって、迷惑をかける決心をすべきだと思った」

 私は東京から宮古島に移住しました。東京は「人に迷惑をかけてはいけない」というルールですが、宮古島は「人はお互いに迷惑をかけるのがあたりまえ」というルールでした。それでも、ちゃんと世の中は回るのです。それどころか、そのほうがずっと暮らしやすく、快適でした。
「人はお互いに迷惑をかけるのがあたりまえ」というルールを全国にひろげていくことこそ、災害国の日本ではとくに必要なことではないかと思います。(頭木弘樹さん)

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数々の試練や絶望の淵の経験から、多くの人の支えになる名著を生み出し続けてきた頭木さん。
被災した方はもちろん、同じ日本にいる全ての方の心に響くメッセージをありがとうございました。

1:信頼できる寄付先を探す

詐欺に注意して信頼できる募金先を探しましょう(※写真は信頼できる「Yahoo!基金」ご紹介時のもの)

アドバイスして頂いた「人はお互いに迷惑をかけるのがあたりまえ」「助け合うことは当然」という心構えができた後は、「いま何か自分にできることをしたい」と思う方も多いのではないでしょうか。

そんな時、いまの段階で一番行動しやすいのは寄付です。例えばメルカリをやっている方でしたらその売り上げを簡単に寄付できる「メルカリ寄付」を利用したり、チャリティーイベント参加+募金で応援したり・・・信頼できる寄付先を探して下さい。

初めての方でも参加しやすいものや、企業の正式発表など信頼できる情報を【スタリス☆横浜】防犯防災ライフハックカテゴリで随時ご紹介していますので、ご参考になれば幸いです。

2:ガソリンは満タンにしておく

東日本大震災や熊本地震では、大勢の方が
ガソリンや灯油を求め、ガソリンスタンドに
殺到しました。災害時にパニックにならない
ようこまめに給油し、なるべく車のガソリン
は満タンに
しておくよう、心がけましょう。

石油の日チャリティーコンサートを取材
させて頂いた神奈川県石油組合さんでは
ガソリン+灯油も多めに備える「満タン&
灯油プラス1缶」を提案
しています。

自分たちが備えることで、いざという時
他に必要な方や場所が助けられます。

いざという時に備えて「満タン&灯油プラス1缶」を(2018年 石油の日チャリティーコンサート取材時の写真)

3:備蓄など自分たちも防災準備をしておく

3.11の時に女性誌で被災地を取材した際、
「お菓子や甘さが心を癒してくれた」という
声が。確かに避難中でも手軽に補給しやすい
チョコレートや砂糖菓子を非常用持ち出し袋
やBAGに入れておくと良いと学びました。

「防災スイーツ」は5年間の長期保存可能。
災害用伝言ダイヤルの番号と利用方法が
裏面に記載。プレゼントにも喜ばれます。

車にも常備しておくと、災害時だけでなく
事故渋滞など不測の事態にも助かります。

馬車道本店の愛されスイーツ店「ガトー・ド・ボワイヤージュ」様が開発製造 横浜市や葉山町などにも沢山の寄付をしてくださっています 『お守りのようなお気に入りの食品』は、心にもエネルギーを与えてくれます

Jackery ソーラーパネルやポータブル電源が大活躍

お菓子でいうと「ガム」もおすすめです。
ガムを噛むとリラックス効果があるだけで
なく、唾液分泌が促進されウィルス感染や
歯周病などの予防に役立つので助かります。
未開封の場合賞味期限がかなり長いのも◎

少しでも自分たちで賄えるよう食料や水
を準備しておくことにプラスして、アウト
ドアで人気のソーラーパネルとポータブル
電源もぜひ手に入れたい逸品です。

1/3~ジャクリ様が無償で被災地に提供して
下さいました。素早い対応に感謝です。

「靴」が一番大切です!ベッドの下や枕元に備えていただけると安心です

\他にもこんな備えを!!/
履きやすい靴をベッドの下や枕元に置いておく。
 理由:割れたガラスやモノなどを踏んで怪我をする危険を防ぎます。避難するには必須No.1が靴
 スニーカーの場合紐があると危ないので、ゴムになっていて結ぶ必要がなく着脱しやすいものを。

笛(ホイッスル)を準備しておく 100円均一で便利な紐付きの笛を購入できます。
 理由:閉じ込められた時などに最小限の体力で周囲に知らせることが可能。リュックだけでなく普段のBAGにもIN。

大判ストールや小さめブランケット
 理由:かさばらないのに冬は暖かく夏は日よけに。プライバシーを守るのにも役立ちます。
 風呂敷も数枚あると、モノを運ぶ袋替わりや三角巾など様々なことに使えます。

帽子やヘルメット
 理由:頭を守ることが大事なのでヘルメットがあればもちろん最高ですが、避難リュックにかぶらなくなった帽子を入れておくことで、冬は暖かく夏は日よけに。「避難所で映されるのが苦痛」という方を女性誌の取材で沢山出逢ったので、帽子+マスクでプライバシーを守ることにもつながります。

・薄手のレインコートや雨の日用のポンチョ(100均で買える場合もあります)
理由:傘は片手が塞がってしまうので、着用して雨や雪をはじくものがあると便利です。リュックの上から羽織れるポンチョタイプも便利。服が濡れて冷えてしまうリスクを軽減。
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◆もちろん他にも沢山ありますが、大人女子の皆様にまだ知られていないかも?というものを、編集部でピックアップしてみました。避難リュックや避難用のスーツケース、車のトランクの中の見直しをする際、お役に立てば幸いです。

4:自粛しすぎずいつもの日常を。経済を回そう

こちらも3.11の時に被災者の方や各方面の方に取材し、編集部で会議し辿り着いた考え方です。
※あくまで「考え方の一例」としてご参考までにご覧ください。

連日のニュースで胸を痛めている方も多いと思いますが、被災地の方に想いを馳せるだけでもきっと力になります。あまりふさぎ込んで病んでしまうより、「小さくてもよいから自分にできること(募金や備え)」をしながら、いつも通りの日常を一日を大切に愉しんでみてはいかがでしょうか。

2011年 東日本大震災の時に自粛ムードが高まってしまったことから倒産危機にあえぐ飲食店やシェフの友人たちが増え、無償で応援していましたが、必要以上の自粛をすると関東で沢山のお店やイベントが潰れかねません。そうして経済状況が悪化すると、結果的に募金する方や支援できる企業が減り、共倒れになってしまう恐れもあり本末転倒です。
また、節電に関しては、それぞれの自宅よりも、1か所(レストラン)などに集まり飲食店応援を兼ねて節電したほうがよいのではと話し合い、当時みんなで実行しました。特に一人暮らしの方たちが「皆と一緒にいると心強い」と喜んでいました。

【追記】尊敬する人気ユーチューバーのまりんぬさん(海外在住)も、私たち同様被災地のニュースに心を痛めていますが、サブチャンネルで「通常の生活に戻ること」の大切さを最新動画で発信しました。「私たちの経済活動で、その税金が被災地に届きます。いつもの日常が必ず被災地に繋がります」という感じの内容ですが、全文はぜひYouTubeからご覧ください。
確かに今まで通り普通に日常を送り、いつものお仕事を頑張るだけでも、税金が被災地につながると思うと、募金に抵抗がある方(詐欺団体なのではないかなど選ぶのに躊躇している場合)は、安心してお仕事に励めそうです。

もちろんそれぞれの立場や心境、色々な意見がありどれが正解かはわかりませんが、思いやりと助け合いの心構えをベースに日本みんなで乗り越えられることをお祈りしています。

【編集後記】エンタメの重要性&今後の発信について

東日本大震災が起きてすぐ、有名女性誌で
防災特集を担当。数か月後に、編集チームが
お困り事がないか聞いたところ「食料や水は
充分あるんですが。雑誌や絵本が欲しい」と
いうリクエストがあり出版社から、同様にご
要望があった生理用ナプキンやマスク、帽子
等と一緒に寄付され、喜ばれました。

※3.11当時リクエストがあったもののみ
正式な手続きを経て法人で寄付しています。
勝手に被災地に送らないようご注意下さい。

充電不要で愉しめる紙媒体が便利、と喜ばれ
気持が落ち込んでいる被災者の方の命を繋ぐ
大切なアイテムの一つに「娯楽」、「笑顔」
があり、気分転換や慰めが必要とのこと。

「本に救われた」「アニメが心の糧に」
「いま生きているのはこの言葉のおかげ」
エンターテインメントの大切さを痛感
しました。

コロナ禍に出した【スタリス☆横浜】挑戦編フリーペーパーで、ソロキャンプ特集や表紙に御出演いただいた高島礼子さん。ロケの際に「ミステリー・カット版 カラマーゾフの兄弟 ドストエフスキー 頭木 弘樹 編 2019年/春秋社」を手にした1枚

今回の能登半島地震では、クライアントの
関係者様ご一家が七尾市で被災されました。
「家も会社もめちゃくちゃでひどい。
(そちらも)備えてくれ。」とご連絡を
いただきました。

被災地以外でも今から備えておくことで
万が一の際に助けが必要な人や場所が減り
その分を能登半島の救助や復興に注力して
いただけます。

ご家族でいまいちど防災について確認し
話し合ってみてくださいね。
【スタリス☆横浜】はいつもの日常を過ごす情報を、今まで通り楽しく明るくお届けすると同時に、防犯防災ライフハックカテゴリで出来る限り信頼できる有益な情報を発信していきたいと考えています。

「いまできること」が日を追うごとに変わっていくと思いますので、またレポート致します。

【御礼】
快くメッセージを寄せてくださった頭木弘樹さん、そして記事執筆に
御協力いただいた皆様、誠にありがとうございました。

頭木さん自己紹介  ・   近況   ・      ・  連載・note
NHKラジオ深夜便『絶望名言』 ・  読むらじる    ・ 100分de名著

\ご新規大歓迎/

◆次回は1/18(木)頭木弘樹さん「まっくら図書館の読書会」はこちら

Presenter

すずき まき
スタリス&画廊支配人
すずき まき
20年に及ぶ企業や投資家の「女性目線コンサル・PR業務」の傍ら、メディアやブランドの立ち上げを数多く経験。生死に関わる大病を克服した自身の経験から【人と地域の応援】をテーマにスタリスを創設。リスタート時に始めた人気女性誌や、専門誌の仕事で培ったスキルと【ご縁】に感謝を込めて、複数の企業や媒体のお手伝いを現在も継続中です。