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体験

【そごう美術館】篠田桃紅展 とどめ得ぬもの 墨のいろ 心のかたち【5/9(日)まで開催】追悼:2021年3⽉1⽇、本展の開催を⼤変楽しみにしておられました篠⽥桃紅先⽣が、107歳で旅⽴たれました。謹んで哀悼の意を表します

2021年4月3日(土)~5月9日(日)[会期中無休]

presenter スタリス&画廊支配人

【そごう美術館】篠田桃紅展 とどめ得ぬもの 墨のいろ 心のかたち 株式会社そごう・西武2021年3月30日 11時32分 ツイート はてな 素材DL ・・・ その他 メール Slack Talknote close ■会期: 2021年4月3日(土)~5月9日(日)[会期中無休]  ■会場:そごう横浜店6階=そごう美術館 ■開館時間:午前10時~午後8時(入館は閉館の30分前まで) ※そごう横浜店の営業時間に準じ、変更になる場合がございます。 【事前予約不要】(ただし入館者が一定数を超えた場合には、入場制限を行います) 【追悼】2021年3⽉1⽇、本展の開催を⼤変楽しみにしておられました篠⽥桃紅先⽣が、107歳で旅⽴たれました。謹んで哀悼の意を表します。 幼少より墨に親しみ、独自の表現世界を追求、文字から抽象へとその表現を推し進め、墨の新しい可能性を発見する営みを休むことなく続け、その孤高の仕事は最後まで衰えることはありませんでした。墨と寄り添い生きた篠田桃紅の表現の変遷をぜひご覧ください。 【展覧会概要】

写真左:ニューヨークにて 1956年(撮影:HAMS NAMUTH)

◆本記事は再掲載となります。5月9日までなので、ぜひご覧ください。

幼少より墨に親しみ、独自の表現世界を追求、文字から抽象へとその表現を推し進め、墨の新しい可能性を発見する営みを休むことなく続け、その孤高の仕事は最後まで衰えることはありませんでした。墨と寄り添い生きた篠田桃紅の表現の変遷をぜひご覧ください。

【展覧会概要】

■会期: 2021年4月3日(土)
~5月9日(日)[会期中無休] 

■会場:そごう横浜店6階
   【そごう美術館】

■開館時間:午前10時~午後8時
(入館は閉館の30分前まで)

■入館料:一般1,200(1,000)円
 その他詳細はこちら

※そごう横浜店の営業時間に準じ、変更になる場合あり

帰国直後 1958年

 一瞬にして去る風の影、
散る花、木の葉、人の生、
この世の「とどめ得ないもの」への、
私流の惜しみかた、それが私の作です

Fleeting forms, gone in a moment
Flowers, leaves of trees, human lives -scattered
My works reflect the way
I hold dear the transient things of this world

アトリエにて 2010年

篠田桃紅展 とどめ得ぬもの 墨のいろ 心のかたち

文字のかたちにとらわれない水墨抽象画という独自のスタイルを確立し、常に新しい表現に挑戦を続けてきた篠田桃紅(1913-2021)。近年は多くの著書がベストセラーになるなど幅広い活躍でも注目を集めました。
本展は、初期から海外進出を経て、一瞬の「心のかたち」を追求した近年までの変遷を約80点の代表作と資料を通してご紹介いたします。
*プロロ-グ 2017年の近作

*第1章 文字を超えて
(渡米以前) -1955
初期から書や文字の表現に限界を
感じ始めた頃の作品

1913年、満洲で生まれたことから満洲子(ますこ)と名付けられた篠田桃紅。2歳で日本に戻り、5歳から父の手ほどきで書を学び、漢詩や和歌などの古典や教養を身に付けた。

19歳頃、与謝野晶子の弟子である中原綾子から短歌の指導を受け、22歳で書を教え始め独立した。
既存の書の枠を超えた作品の数々を発表した27歳の初個展では、「根無し草」と評されるも、独自の書として認められたと捉えた桃紅は、独自の創造の世界、そして自らの進むべき道を見出していく。

《星霜》1954年 公益財団法人岐阜現代美術財団蔵

《時間》1958年 鍋屋バイテック会社蔵

*第2章 渡米─新しいかたち
1956-60年代
渡米から帰国後、墨を使った
独自の表現スタイルを確立

日本の文字、書の枠を超えた桃紅。
作品を見る時、日本人は文字の形と
意味を探してしまうが、文字の意味
から入らない海外ではどう評価され
るのか、墨の美しさそのものを見て
ほしいという想いもあり、自信と
確信を得るために、単身渡米した。
抽象表現主義に沸き立つ時代、同じ
思いを持ったアーティストたちが集う
ニューヨーク。
桃紅が探求していた表現は、時間的な
ものを線一本で描くことであった。
ニューヨークを拠点に欧米各地で発表を続け、
「絵画」作品として高い評価を受けることと
なる。

《行人》1965年 公益財団法人岐阜現代美術財団蔵

《月読み》1978年 公益財団法人岐阜現代美術財団蔵

*第3章 昇華する抽象
1970-80年代
情感的な抽象から、よりシンプルに
昇華された抽象へ

充実したアメリカでの活動が2年で
終わったのはなぜか。それは気候に
よるものだった。アメリカの乾いた
気候では、紙の上で墨は滲まずに
かすれてしまうのである。

日本の湿潤な環境でのみ墨は生きると
悟った桃紅は、再び日本で制作を始める。

左右分割、明暗対照、朱の赤の効果などが
現れる70年代、縦に走る力強い連続線など
洗練された80年代と、抽象の形を昇華させ、
墨の持つ特性を生かした独自のスタイルを
確立していく。
*第4章 永劫と響き合う一瞬のかたち
1990年代以降

独創性を確立しながらも常に新たな
造形を模索し続けた桃紅。
金や銀が多用され、金泥や銀泥、朱
などが加わるようになると、画面は
やわらかくなり、また墨の画面に光
が入ることによって、さらに奥行が
生まれるようになっていった。

余分なものがすべて削ぎ落とされ、
凝縮された一筋の線が確かな存在感を
示している。
桃紅の追求は最後まで続いた。

*リトグラフ

*題字・建築の仕事の紹介

《君に》 公益財団法人岐阜現代美術財団蔵

【スタリス☆の感想】
今回は撮影OKの場所は、一切ナシ。
でもそれが余計に心地よいというか
シンと静かな空間で、どっぷりと
篠田先生の世界に深くはまることが
叶い、1つの作品から想像が広がり
時空を超えて素晴らしい旅ができた
ような気分です。

それは「鑑賞者の想像を狭める」という
先生のお考えにより、作品キャプション
等を一切設置していないことも功を奏し
ていたのかもしれません。

そのこだわりもご紹介します!

※理解を深めるための補助資料として、作品No.と照合できる作品リスト・解説プリントを会場にご用意

【こだわり】自由に鑑賞を_作品キャプションのない会場(作品No.のみ掲示)
本展会場の壁には、「鑑賞者の想像を狭める」という桃紅先生のお考えにより、作品キャプション(作品名・制作年などの情報)を設置しておりません。桃紅作品には、墨で書かれた文字も多数ありますが、その文字が読める人は無意識に「何と書いてあるか」を読んでしまいます。そして、その情報による先入観が生じてしまいます。「何が書いてあるか」よりも「描かれた線の美しさ」をご覧いただき、皆さまおひとりおひとりの眼と心で作品を自由に想像し、ご鑑賞ください。

鑑賞を楽しむ5つの視点

①文字の意味にとらわれない
私たちは文字があるとつい、それを読もうとしてしまいます。でも、桃紅先生は、文字の意味ではなく、墨と水によって偶然生み出される美しい線や形に注目してほしいと述べています。ゆるやかな曲線、スッとのびる潔い線。筆運びのスピード感や筆の種類を想像してみましょう。

②冴えわたる墨の「線」
墨は、どんなに重ねても最初の線が一番手前にあらわれ、最後に描いた線はむしろ一番奥へと沈みます。作品をみると、薄墨と濃い墨が重なった描写も多くあります。どんな順番で描かれたのでしょう。

③墨の「色」の奥深さ
墨の色は濃淡だけではなく、色彩も微妙にちがいます。青みがかかっているもの、赤みがかかっているもの、ひとつとして同じものはありません。そしてどんなに重ねても「真っ黒」にはならない墨。墨の色の奥深さも作品の味わいのひとつです。

④偶然が織りなす世界
水は形のない物質。でも墨と出会うことで形をなし、その表現は無限です。桃紅先生はこの自由な素材を用い、さらにコントロールしづらいフニャフニャの筆をあえて使って、「自分の意図を離れ、この世にない面白い線」を描こうとしています。

⑤作風の変化
桃紅先生の作風は、人生とともに変化します。書道という枠の中で発展した初期の作品。文字を離れ、墨の色や線を追求した時代。余分なものをそぎ落として、一瞬の心のかたちを追求した近年。その変化をたどってみましょう。

プロフィール

ニューヨークにて 1956年(撮影:HAMS NAMUTH)

篠田桃紅 (しのだ・とうこう)
美術家。1913年中国・大連生まれ。
5歳のころから父に書の手ほどきを受けて
墨と筆に触れ、以後独学で書を極める。
戦後、文字を解体し、墨で抽象を描き始める。

1956年単身渡米、ニューヨークを拠点に、
ボストン、シカゴ、パリなどで個展を開催
し、欧米のアートシーンを牽引。

1966年ビートルズ来日の際、宿泊ホテルに
飾られていた桃紅作品に感銘を受け、描いた
筆と同じものを購入したという。

2005年「世界が尊敬する日本人100人」に
選ばれる。
建築に関わる仕事や増上寺大本堂の襖絵などの大作、装丁、題字、ベストセラーとなった著書など活動は多岐にわたり、作品は国内外に多数収蔵されている。

【編集後記】

先生にお目にかかれなかったのは、本当に
残念でなりませんが、鑑賞しながら作品や
背景に想いを馳せることで、天国の先生と
会話ができるような、そんな幸せな気持ち
になりました。

心が澄み渡る、素晴らしい作品展!!
ぜひぜひ多くの方に、自信をもって
おすすめいたします◎

素晴らしい作品展をありがとうございました

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【そごう美術館】篠田桃紅展
とどめ得ぬもの 墨のいろ 心のかたち【公式HP】

 


【追悼】2021年3⽉1⽇、本展の開催を⼤変楽しみにしておられました
篠⽥桃紅先⽣が、107歳で旅⽴たれました。謹んで哀悼の意を表します。

ご関係者の皆様、素晴らしい作品展を本当にありがとうございました。

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Presenter

すずき まき
スタリス&画廊支配人
すずき まき
20年に及ぶ企業や投資家の「女性目線コンサル・PR業務」の傍ら、メディアやブランドの立ち上げを数多く経験。生死に関わる大病を克服した自身の経験から【人と地域の応援】をテーマにスタリスを創設。リスタート時に始めた人気女性誌や、専門誌の仕事で培ったスキルと【ご縁】に感謝を込めて、複数の企業や媒体のお手伝いを現在も継続中です。